知的障害も、障害認定基準に該当していれば、原則障害年金を請求できます。障害基礎年金は1級と2級で、3級はありません。
知的障害の場合、出生日が初診日の為、20歳からの障害年金の申請が可能です。
知的障害は原則、初診日の証明(受診状況等証明書)は不要です。
生まれた日が初診日になります。
障害の程度が認定基準に該当するかどうかです。
障害の程度 | 障 害 の 状 態 |
---|---|
1級 | 知的障害があり、食事や身の回りに事を行うのに全面的な援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が不可能か著しく困難であるため、日常生活で常時援助が必要とするもの |
2級 | 知的障害があり、食事や身の回りのことなどの基本的な行為を行うのに援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が簡単なものに限られるため、日常生活にあたって援助が必要なもの |
3級 | 知的障害があり、労働が著しい制限を受けるもの |
(平成28年9月より、認定基準をより具体的に示した「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」が発表され、新たに審査の基準となっています。)
①~⑦項目について医師により、4段階に評価をします。
「日常生活能職の判定」の 4 段階評価について程度の軽いほうから1~4の数値に置き換え、その平均点を算出する。
以下の①~⑤のいずれかを医師により判断してもらう。
「日常生活能力の判定」の平均点と「日常能力の程度」の評価を、以下の表にあてはめて、障害等級の目安とする。
判定平均/程度 | (5) | (4) | (3) | (2) | (1) |
---|---|---|---|---|---|
3.5以上 | 1級 | 1級又は2級 | |||
3.0以上3.5未満 | 1級又は2級 | 2級 | 2級 | ||
2.5以上3.0未満 | 2級 | 2級又は3級 | |||
2.0以上2.5未満 | 2級 | 2級又は3級 | 3級又は3級非該当 | ||
1.5以上2.0未満 | 3級 | 3級又は3級非該当 | |||
1.5未満 | 3級非該当 | 3級非該当 |
<<表の見方>>
<<留意事項>>
障害等級の目安は総合評価時の参考とするが、個々の等級判定は、診断書等に記載される他の要素も含めて総合的に評価されるものであり得ることを留意して用いること。
ここまで、障害年金が申請できる要件についてご説明してきましたが、ここからは障害年金を受給するための具体的な手続きについての説明をしていきます。
医師に診断書を作成してもらいましょう
病歴・就労状況等申立書とは、発病したときから現在までの経過を3~5年に区切って申告するための書類です。受診状況等証明書や診断書は病院や医師に記載してもらう書類ですが、この書類は請求者が作成する書類です。いままでの病歴や日常生活、就労状況について請求者が申告します。特に、知的障害の場合は出生時から現在までの期間をと病歴・就労状況等申立書に記載が必要になります。
記載のポイントは、診断書の内容と矛盾がないように、整合性に特に注意が必要です。
「障害年金の制度を知らなかった」や「知的障害では障害年金の対象疾病と思わなかった」などの理由で、長期間経過し、初診日が証明できないことや障害年金が受給できていた期間もそのままになっている場合があります。早急に障害年金申請の手続きを開始しましょう。
岸和田・泉州障害年金相談事務所で実際に、障害年金を既に受給した方を一部ご紹介しております。
これまで、障害や病気(うつ病、統合失調、知的障害、がん、難病、脳疾患、糖尿病、手足・人工関節、呼吸器疾患など)でご本人も、ご家族も大変ご苦労をされてこられましたが、障害年金を受給してからは 大きく生活を変えておられます。
いろいろなご家族のお話の中で、もっと早く障害年金のことを知っておきたかった、こんなに悩まなくてすんだのにという声も多くお聞きしております。
もしかしたらと、お考えの方は、岸和田・泉州障害年金相談事務所へご相談ください。経験豊富な社労士が障害年金を受けることができるのかどうかからご相談いただけます。
(相談内容) 学校を卒業後、一般企業に就職をしたが、他人とのコミュニケ-ションや人間関係が上手くいかず思い悩み退職する。再度就職するが仕事が遅いなどと、上司より叱責され、再度退職する。その後は対人恐怖症の症状が出現し、就職できなくなり将来に対しての漠然とした不安から精神状態が悪化し、心療内科を受診することとなる。うつ病と診断され10年以上うつ病の治療を行...
年齢:30代 / 性別:女性 / 受給等級:2級/年金額:約78万円 / 遡及額:
(相談内容) 学校を卒業後、一般企業に就職をしたが、仕事にミスが多く、部署を転々としていた。同僚からのいじめや嫌がらせを受けていたが、なんとか頑張って通勤している状況でした。上司からもパワハラを受け、うつ状態、不眠症状が出現し、就労困難になる。医師からは数か月単位で休職を勧められていましたが、その後退職する。再度就職するが仕事が遅いなどと、上司より叱責さ...
年齢:20代 / 性別:男性 / 受給等級:2級/年金額:約78万円 / 遡及額:
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年齢:20代 / 性別:男性 / 受給等級:2級/年金額:約78万円 / 遡及額:
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年齢:30代 / 性別:男性 / 受給等級:2級/年金額:約78万円 / 遡及額:
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年齢:20代 / 性別:女性 / 受給等級:2級/年金額:約78万円 / 遡及額:
(相談内容) 高校支援学校に入学後、苛立ちから暴力を振るう時も多かった。不安定なときは目を離すことが出来なかったため、支援学校はバス通学であったが、できるだけ家族の車で学校の送迎をしていました。高校卒業後、支援学校の紹介により、工場での荷物運びの仕事に就くようになる。会社では、周りの人の理解により多くの支援を受けて仕事が成り立っています。会社への通勤は家...
年齢:20代 / 性別:男性 / 受給等級:2級/年金額:約78万円 / 遡及額:
(相談内容) 就職をするが、周りの人との会話ができない事や記憶をする事が苦手であったため、すぐに解雇されるような状態であった。その頃から仕事が終わった後、ストレスが溜まったり、自分の思ったとおりに行かなかった時などは、帰宅後かんしゃくを起こしたり物に当たったりする事が多くなってきた。 就労支援施設に通所を始めるが、いじめや嫌がらせを受け、通所を一時中止す...
年齢:50代 / 性別:女性 / 受給等級:2級/年金額:約78万円 / 遡及額:
(相談内容) コミュニケ-ションがうまくできませんでした。日常生活の状態は、一人で買い物もできず、公共交通機関は一人で利用することが出来ません。書いてあることを理解できないので、家族が説明すると、理解できることもあります。感情が不安定になることが多くなり、時々何も言わず泣き出し、自分の部屋の本棚や壁の棚や洋服タンスを新しく買ってきても、すぐに壊します。外...
年齢:20代 / 性別:女性 / 受給等級:2級/年金額:約78万円 / 遡及額:
(相談内容) 学校を出て就職できずハロ-ワ-クに何度も一緒に母親が付き添い就職にチャレンジしましたが、就職はできませんでした。その後、介護施設に障害者雇用で働かせてもらう事になりました。仕事は単純作業に限られており、利用者の見守りや入浴の見守り、食事の見守りをしています。職場では、相手が何を言っているのか理解できない事が多く、相手にも伝わっていない事が多...
年齢:20代 / 性別:男性 / 受給等級:2級/年金額:約78万円 / 遡及額:
(相談内容) 職場での様子は電話応対ができず、パニックになり他の同僚に慌てて変ってもらう事も多々あります。自分では理解しているつもりでも、話が相手に伝わらないと叱られことも多い。留守番や掃除などの雑用が多く、気分が悪くなる日が多々発生するようになる。 上記の様な状態になったので、心療内科を受診するに至る。服薬をしても状態が変らなかった為、通院を中止しする...
年齢:30代 / 性別:男性 / 受給等級:2級/年金額:約78万円 / 遡及額: